バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年)
2014年公開のアメリカ合衆国のドラマ映画です。
監督は「バベル」(2006年)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥで、主演は「バットマン リターンズ」(1992年)でバットマン役を演じたマイケル・キートンです。
一言でいうと、かつて「バードマン」というスーパーヒーロー映画で大スターだった俳優が、自ら演出・主演を務める舞台に、すべてをかけて再起を目指すブラックユーモアのあるドラマ映画です。
基本情報
・公開年:2014年
・製作国:アメリカ
・原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
・配給:20世紀フォックス映画
・上映時間:2時間0分(120分)
・映論区分:PG12(12歳未満の年少者の閲覧には、親又は保護者の助言・指導が必要)
・時代設定:?
みどころ
【みどころ①】全編1カットかと見紛う(みまがう)長回し映像による臨場感
【みどころ②】全編ドラムの打音のみの音楽と映像の一体感
スタッフ
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
撮影:エマニュエル・ルベツキ
音楽:アントニオ・サンチェズ
キャスト
マイケル・キートン
<主な出演作品>
「ビートルジュース」(1988)
「バットマン」(1989)
「バットマン リターンズ」(1992)
「ジャッキー・ブラウン」(1997)
「ライブ・フロム・バグダッド 湾岸戦争最前線」(2002)
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」(2016)
「スパイダーマン:ホームカミング」(2017)
エドワード・ノートン
<主な出演作品>
「真実の行方」(1996)
「アメリカン・ヒストリーX」(2008)
「ファイト・クラブ」(1999)
「レッド・ドラゴン」(2002)
「ミニミニ大作戦」(2003)
「インクレディブル・ハルク」(2008)
「ボーン・レガシー」(2012)
「ムーンライズ・キングダム」(2012)
「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014)
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
エマ・ストーン
<主な出演作品>
「ゾンビランド」シリーズ
・「ゾンビランド」(2009)
・「ゾンビランド:ダブルタップ」(2019)
「小悪魔はなぜモテる?!」(2010)
「ラブ・アゲイン」(2011)
「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」(2011)
「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ
・「アメイジング・スパイダーマン」(2008)
・「アメイジング・スパイダーマン2」(2014)
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
「ラ・ラ・ランド」(2016)
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(2017)
「女王陛下のお気に入り」(2018)
受賞歴
第87回アカデミー賞(2015年)
・作品賞
・監督賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
・脚本賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、アーマンド・ボー、ニコラス・ジャコボーン、アレクサンダー・ディネラリス・Jr)
・撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)
第72回ゴールデングローブ賞(2015年)
・主演男優賞(マイケル・キートン )
・脚本賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、アーマンド・ボー、ニコラス・ジャコボーン、アレクサンダー・ディネラリス・Jr)
製作
本作品は、2013年3月のニューヨークで撮影が開始され、そのほとんどがニューヨーク、マンハッタンにあるセント・ジェームズ劇場とその周辺で撮影されています。
また、撮影は、エマニュエル・ルベツキが担当したのですが、この映画が1回の長回しで撮影されたものだと観客に思わせるために、カメラワークと編集に非常に高度な技術が使われています。
あらすじ ※ネタバレ注意
かつては「バードマン」というハリウッドの大ヒット映画で、スーパーヒーロー、バードマンを演じ、スターの座を掴んだ主人公リーガン(マイケル・キートン)は、以降ヒットに恵まれず20年以上が経過し60代となり、世間からは「かつてバードマンを演じた俳優」の烙印を押され世間から忘れられかけていた。
リーガンが1人になるとバードマンがハリウッドへ戻れとささやくような幻聴が日頃から聴こえていた。
リーガンはアーティストとして自分の存在意義を見いだそうと、自らが演出・主演を務めて、ブロードウェイ進出という無謀な決断をする。
舞台のプレビュー初演の前日、リハーサル中に負傷した俳優の代役として、ブロードウェイで活躍するマイク(エドワード・ノートン)が選ばれる。俳優としてたぐいまれな才能を見せながらも破天荒なマイクの言動はスタッフを振り回し、3度のプレビュー公演の内、2つを台無しにしてしまう。
リーガンは、マイクの身勝手な行動にたまらずマイクと衝突する。
その夜、最後のプレビュー公演中にリーガンは喫煙のため外へ出るが、偶然ドアが閉ざされ、ブリーフ一枚の上にローブを羽織ったまま外へ閉め出されてしまう。ドアに挟まってしまったローブを脱ぎ捨て、ブリーフ姿でニューヨークの大通りを歩いて、人々に気づかれながらも劇場の入口を目指す。
何とかラストシーンに間に合うが、リーガンがブリーフ姿で歩く様は一般人に撮影され、その映像はYouTubeで100万回以上も再生された。彼にとって不本意だったが、その映像は話題を呼ぶ。
本公演の前夜、リーガンは舞台近くのバーで舞台公演の今後を左右するような記事を書く批評家タビサから「芝居を酷評する」と宣言される。
リーガンはその影響で街を歩きまわり、道端で夜を明かした。翌朝、リーガンは幻聴(バードマンの声)で目覚め、バードマンはとうとう実態としてリーガンの背後に現れる。
リーガンは屋上に上がって、ビルの谷間に飛び降り、バードマンの如くニューヨークの空を飛び回ったが、幻想のため劇場についたときにタクシーの運転手に無銭乗車で追われる。
その夜、本公演が始まり、舞台でリーガンが演じるエディの拳銃自殺で幕切れとなるラストシーンで、リーガンは観客の前へ立ち、拳銃を頭へ突きつけ、発砲と同時に倒れた。
観客は一瞬ざわめき、やがてスタンディングオベーションが巻き起こる。その中で、前列にいた批評家タビサは、興奮する観客を無視して劇場から立ち去った。
リーガンは病院の個室で目が覚め、リーガンの放った弾丸は頭ではなく鼻にあたり、一命を取り留めていた。
ジェイクが持ちこんだ新聞の1面には、観客に銃口を向けたリーガンがプリントされていた。
タビサによる記事では、リーガンの自殺未遂は、彼が舞台公演において小道具と本物の拳銃とを取り違えて使用したためだと報じられ、それによって生まれた今回の事件を「無知がもたらす予期せぬ奇跡」と銘打たれていた。
1人になったリーガンは病院のベッドから立ち上がり、鏡の前で顔のガーゼを外した。
吹き飛んだ鼻は整形され、バードマンのような鋭い鼻に変わっていた。
リーガンは、部屋にいた幻覚のバードマンに別れを告げ、窓から外側へ出た。
直後に病室へ入った娘のサムは、消えたリーガンを探して開け放たれた窓から下を見たが、リーガンの姿はどこにもなかった。空へ目を向けるとサムは笑みを浮かべた。
感想
内容としては、人気のなくなった俳優が全てをかけてブロードウェイの舞台で再起を目指すといういった内容で少し地味な話でしたが、映画の撮影方法がなかなか面白いと思います。
その撮影方法は、全編1カットに見える長回し映像で見ている人にリアル感と臨場感を与えます。どうやらこれがいくつかの賞をとった理由のようです。
途中、主人公のリーガン(マイケル・キートン)が自分の楽屋で、ブリーフ一枚であぐらをかいて宙に浮いたり、離れたところから物を動かしたりするのですが、それが超能力なのか、幻覚なのかよくわかりません。
他にも色々と同じようなことがあるのですが、どこまでが現実でどこまでが妄想なのか、最後までわからず、疑問を抱いたままになります。
映画の中で、リーガンの娘が「告白(真実)か、挑戦か」というゲームをするのですが、少し自分もやってみたくなりました。
ルールは、「告白(真実)か、挑戦か」といったあとに、どちらかを選び、「告白」を選んだ者は、どんな恥ずかしい質問をされても真実を話さなけらばならず、「挑戦」を選んだ者は、相手に言われたどんなイヤな事や恥ずかしいことでも実行しなければならないゲームです。
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評価
3.4点/5点満点