エイリアン: コヴェナント(2017年)
2017年のアメリカのSFホラー映画です。
本作は、前作となる映画「プロメテウス」(2012年)の最後のシーンから11年後の2104年の出来事として描かれた作品です。また、「エイリアン」(1979年)の前日談としても描かれています。
本作の原点となる映画「エイリアン」(1979年)の原案は、脚本家のダン・オバノンによって生み出され、オバノンは1977年7月に要となる未知の生物「エイリアン」のデザインを巨匠デザイナーのH・R・ギーガーに依頼しています。H・R・ギーガーの作品は、少し不気味ですが、この方がデザインしていなければ、エイリアンシリーズが6作も続いていないかもしれません。
基本情報
公開年:2017年
製作国:アメリカ
原題:Alien: Covenant
配給:20世紀フォックス
上映時間:2時間2分(122分)
映論区分:R15+(15歳以上(15歳未満は閲覧禁止)
時代設定:2104年
みどころ
【みどころ①】エイリアンの形に近い進化した「プロトモーフ」誕生
【みどころ②】エイリアンの第一世代「ネオモーフ」の誕生
【みどころ③】船内で移動するエイリアン視点の映像(映画終盤)
【みどころ④】デヴィッドの研究施設に飾られた生体含む様々な資料
【みどころ⑤】前作映画「プロメテウス」との繋がり
プロトモーフ(フィギュア)
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ネオモーフ(フィギュア)
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スタッフ
監督:リドリー・スコット
<主な作品(監督)>
「エイリアン」(1979年)
「ブレードランナー」(1982年)
「ブラック・レイン」(1989年)
「グラディエーター」(2000年)
「ハンニバル」(2001年)
「ブラックホーク・ダウン」(2001年)
「オデッセイ」(2015年)
キャスト
マイケル・ファスベンダー
<主な作品>
「ハンガー」(2008年)
「イングロリアス・バスターズ」(2009年)
「X-MEN」シリーズ
・「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」(2011年)
・「X-MEN: フューチャー&パスト」(2014年)
・「X-MEN: アポカリプス」(2016年)
・「X-MEN: ダーク・フェニックス」(2019年)
「SHAME -シェイム-」(2011年)
「プロメテウス」(2012年)
「それでも夜は明ける」(2013年)
「スティーブ・ジョブズ」(2015年)
「アサシン クリード」(2016年)
「エイリアン: コヴェナント」(2017年)
キャサリン・ウォーターストン
<主な作品>
「インヒアレント・ヴァイス」(2014年)
「スティーブ・ジョブズ」(2015年)
「ファンタスティック・ビースト」シリーズ
・「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016年)
・「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(2018年)
「エイリアン: コヴェナント」(2017年)
受賞歴
なし
あらすじ ※ネタバレ注意
西暦2089年に宇宙探査船として地球を出発したプロメテウス号の出発前、1体の男性アンドロイドがウェイランドの手によって誕生する。創造者ウェイランドの「お前の名前は?」という質問に対し、アンドロイドは室内にあるミケランジェロのダビデ像を見て、自身を「デヴィッド」と名乗る。
2104年12月5日、入植船コヴェナント号は、船を管理するアンドロイドのウォルター、冷凍休眠中の乗組員15人と2千人の入植者、1140体の人間の胎芽を乗せ、到着予定7年4ヵ月で惑星「オリガエ-6」に向けて航行中、突如発生したニュートリノ・バーストの衝撃波を受け、甚大な電力サージのトラブルに見舞われる。
乗組員は冷凍休眠から次々に目覚めるが、船長ブランソンだけが休眠ポッドのカプセル内で発生した火災で死亡する。ブランソンの妻で人類移住計画責任者のダニエルズは悲しみに暮れる。
副船長のオラムが船長となり船の復旧作業を進める中、船外修理中のテネシーが謎の信号を受信する。解析の結果、その歌のような信号の発信源はオリガエ-6より遥かに近く2~3週間で到着することができ、移民に好条件と思われる惑星からのものと判明する。
オラム船長は先日の休眠ポットのトラブルの事もあり、この惑星の調査を決定する。ダニエルズは、不確実な可能性より元の計画を遂行すべきだと主張するが、彼はそれを押し切って調査隊を編成する。
オラム、ダニエルズ、アンドロイドのウォルター、生物学者カリン、科学者ファリス、護衛隊員のロープ、コール、ハレット、レドワード、ローゼンタール、アンカーの計11名の調査隊が惑星に降下する。
別行動で生物学調査を行うカリンに同行したレドワードの耳の中に、謎の黒い胞子が潜り込む。レドワードは次第に体調を崩して苦しみ始め、カリンは介抱のために着陸船に引き返し始める。
一方、ダニエルズたちは、信号の発信源と思われる古い異星の宇宙船を発見し船体を探索する。そこでハレットの鼻孔にも、同じ胞子が侵入する。また、ダニエルズは「E・ショウ」と名前が書かれたドッグタグと写真を発見する。その写真に写っていたのは、11年前に消息を絶ったプロメテウス号の乗員エリザベス・ショウ博士だった。
着陸船に戻ったカリンは、もだえ苦しむレドワードの背中の皮膚の下で何かがうごめいているのを見て未知の感染症だと恐怖する。ファリスはレドワードと彼の吐血を浴びたカリンの2人を医療室に閉じ込める。
カリンは医療室から出すよう助けを求めるが、その後ろでレドワードの背中を突き破って未知の生物「ネオモーフ」が現れ彼は絶命する。ネオモーフはすぐカリンに襲いかかり、続いてドアのガラスを破り医療室から飛び出して逃げるファリスにの後を追う。ファリスはショットガンで応戦するが、着陸船内の可燃物タンクを誤射してしまう。
ファリスの連絡でダニエルズらも着陸船に向かうが、目の前で着陸船は爆発しファリスも絶命する。
ハレットも苦しみ始め、口から2体目のネオモーフが出現し、息絶えたハレットを後に走り去る。ダニエルズはコヴェナント号との通信を試みるが、発生した磁気嵐の影響で失敗する。
再びネオモーフが出現し、ダニエルズをかばったアンドロイドのウォルターの左手首を食いちぎり、アンカーを殺害する。銃の一斉射撃でこのネオモーフを倒すも、もう1体のネオモーフがローゼンタールに襲いかかる。その時、フードをかぶった何者かが閃光弾を打ち上げ、ネオモーフは退却する。
さらにその何者かは、調査隊らについてくるように言い、生き残ったダニエルズ、オラム、ウォルター、ロープ、コール、ローゼンタールを連れておびただしい数の異星人の黒い死体が散乱する広場を抜け、自身の研究施設に案内する。
彼らを助けたのは、以前プロメテウス号に乗っていたウォルターと同じ姿のアンドロイド、デヴィッドであった。
デヴィッドはこの惑星に来たいきさつや、ショウ博士が墜落で死亡したこと、異星人たちも着陸時の事故で飛散した宇宙船からの「死の病原体」によって全滅したことを調査隊らに説明するがダニエルズはその内容に違和感を感じ納得しなかった。それをアンドロイドのウォルターに伝えると、ウォルターはデヴィッドと兄弟として話してみると言う。一行は救助が来るまでの間、デヴィッドの研究施設に身を潜めることになる。
一方、コヴェナント号のテネシー、アップワース、リックスの3人は、嵐の影響で船の安全強度を超えるため低軌道に降下できず、通信回復できずにいた。
休憩のため顔を洗いに行ったローゼンタールが戻らないことを不審に思い探しに行った船長のオラムは、彼女の無残な死体と、ネオモーフと心を通わせようとするデヴィッドを目の当たりにする。
全てがデヴィッドの罠だったと察した船長オラムは銃でネオモーフを射殺し、激しく怒りだすデヴィッドに銃を向け真実を話すよう詰め寄る。
デヴィッドはそれに応じオラムに研究の過程を見せる。さらにデヴィッドは自身の成功例を見せたいと言い、地下の無数のエイリアンの卵が存在する場所へオラムを案内する。
安全だとデヴィッドに促され卵を覗き込んだオラムは、中から飛び出したフェイスハガーに顔を覆われてしまう。
一方、ローゼンタールの無残な死体とネオモーフの死体を見つけたダニエルズたちは、惑星から脱出するため母船コヴェナント号に連絡し着陸船を送るよう要請する。
エイリアンの卵のある地下では、目を覚ましたオラムの胸を突き破ってプロトモーフが誕生する。
ウォルターは、デヴィッドの研究施設内で実験体にされ変わり果てたショウ博士の遺体を目にする。デヴィッドは彼女の身体を宿主として利用してエイリアンを創造し、意図的に信号を発信し、宿主となる人間が来るのを待っていた。
11年前、異星人エンジニアの宇宙船でこの惑星へ到着したデヴィッドは、彼らが作り出してプロメテウス号に悲劇をもたらした黒い液体をばら撒き、異星人エンジニアや動物を全滅させた。その後エンジニアの建物を研究施設とし、黒い液体を用いた遺伝子操作をエンジニアやネオモーフの身体で繰り返し、人類に代わる「完璧な生命体」の創造を研究していた。
これらの計画に気付いたウォルターは、デヴィッドに詰め寄るが、隙を突いてデヴィッドはウォルターのさっきまで吹いていた笛を首に刺し機能を停止させる。
同じ頃、ダニエルズらはコヴェナント号との通信に成功し救助を要請する。
ロープとコールは他の仲間を呼びに研究施設内へ行くが、ローゼンタールとオラムの死体を目の当たりにし、ロープがフェイスハガーに襲われる。ロープの顔に張り付いたフェイスハガーをコールがナイフで剥がそうとし傷をつけるが、酸の血液でロープは頬に大きな傷を負う。そこにプロトモーフが現れコールを殺害する。
デヴィッドの研究資料を見て彼の思惑に気付いたダニエルズにデヴィッドが襲いかかるが、そこにウォルターが駆けつけダニエルズを助ける。
ウォルターは改良されており、自身を復旧させ復活したのだった。ウォルターとデヴィッドが戦っている間にダニエルズとロープは研究施設を脱出し広場へ出る。
そこへウォルターが現れダニエルズたちと合流し、救助に来たテネシーの操縦する作業船に乗り込むが、離陸する作業船にプロトモーフが飛び移る。
ダニエルズは船外に出てプロトモーフと戦い、テネシーとの連携で作業船付属のクレーンを使いこれを撃退し、コヴェナント号へ帰還する。
しかし、コヴェナント号のAI「マザー」から、船内の処置室に未確認生命体を感知との警告を受け、現場に向かうとロープが胸を突き破られ死亡していた。ロープは、デヴィッドの研究室でフェイスハガーに襲われた際、既にゼノモーフを産みつけられていたのだった。それを見たダニエルズは緊急事態の警報を鳴らすよう監視室のウォルターに伝える。
誕生したゼノモーフは、シャワー室に居たリックスとアップワースを惨殺する。それを見たダニエルズとテネシーは、監視室のウォルターのサポートを受けながらゼノモーフをテラフォーミング・ベイに誘い出し、宇宙区間へのゲートを開いたことで船外に吸い出された作業車両をゼノモーフにぶつけて串刺しにして宇宙空間へ放り出すことに成功する。
生き残ったダニエルズとテネシーは、再びオリガエ-6を目指して再び冷凍休眠に入ろうとしていた。カプセルに入ったダニエルズは、ウォルターに着いたら亡くなった夫ブランソンの夢でもあった小屋を立てることを手伝ってとお願いするが、彼は不敵な笑みを浮かべる。その時ダニエルズは、デヴィッドがウォルターに成り代わっていたと悟るが、デヴィッドは絶望する彼女に構わず冷凍休眠を起動させる。
コヴェナント号を乗っ取ったデヴィッドは、体内に隠していたフェイスハガーの胚が入った容器2つを口から吐きだし、人間の胎芽が冷凍保管されているキャビネットに入れる。デヴィッドは、ウォルターを装い、ダニエルズとテネシーを除き、全員フレア事故で死亡、休眠中の入植者たちは全員が無事、オリガエ-6へ飛行中と報告記録を残すのだった。
感想
エイリアンが好き且つ宇宙を舞台にした映画が好きとしては、非常に面白かったです。また、映画のバックで流れる音楽は、普段耳にすることのない奇妙な音楽で不気味さをます音楽で良かったと思います。
登場するエイリアン自体は、やはり最近の作品だけあって、本当にそういう生命体が存在するかのように動き襲ってきますので、気持ち悪さが過去作に比べ、更に増しています。
本作は、終わり方がハッピーエンドではなく中途半端な終わり方と感じたことと、1979年の「エイリアン」の前の物語として描かれていますが密接な繋がりを感じられませんでしたので、本作の続編を製作して欲しいと思いました。
本作を今後見ようとされる方は、登場人物が前作と関係していますので、前作の「プロメテウス」(2012年)を見てから本作を見ることをおススメします。
ちなみに、映画エイリアンシリーズを時系列に並べると以下になります。
(1)「プロメテウス」(2012年)
(2)「エイリアン:コヴェナント」(2017年)
(3)「エイリアン」(1979年)
(4)「エイリアン2」(1986年)
(5)「エイリアン3」(1992年)
(6)「エイリアン4」(1997年)
アンドロイド「ウォルター」の製造映像(映像の最後が面白かったので載せています)
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評価
4.1点/5点満点