エイリアン(1979年)
1979年のアメリカのSFホラー映画です。
地球への帰路を急ぐ宇宙貨物船ノストロモ号に、発信者不明の信号により立ち寄った小惑星で完全生命体(エイリアン)が侵入し、乗組員たちの命を次々に奪っていく。閉鎖された船内で姿を見せない完全生命体とただ一人生き残ったリプリー(シガニー・ウィーバー)との絶望的な戦いが描かれた緊張感のある作品です。
本作は、監督のリドリー・スコットや主演のシガニー・ウィーバーの出世作でもあります。
映画エイリアンシリーズを時系列に並べると以下になります。
(1)「プロメテウス」(2012年)
(2)「エイリアン:コヴェナント」(2017年)
(3)「エイリアン」(1979年)
(4)「エイリアン2」(1986年)
(5)「エイリアン3」(1992年)
(6)「エイリアン4」(1997年)
基本情報
公開年:1979年
製作国:アメリカ
原題:Alien
配給:20世紀フォックス
上映時間:1時間57分(117分)
映論区分:G(年齢にかかわらずだれでも閲覧できる)
時代設定:2122年
みどころ
【みどころ①】リプリー(シガニー・ウィーバー)VSエイリアン
【みどころ②】エイリアンの幼体、チェストバスターの誕生
【みどころ③】破壊されたアンドロイド、アッシュの一時復旧
【みどころ④】謎の宇宙船の船内と化石となった太古の異星人
スタッフ
監督:リドリー・スコット
<主な作品(監督)>
「エイリアン」(1979年)
「ブレードランナー」(1982年)
「ブラック・レイン」(1989年)
「グラディエーター」(2000年)
「ハンニバル」(2001年)
「ブラックホーク・ダウン」(2001年)
「オデッセイ」(2015年)
キャスト
シガニー・ウィーバー
<主な出演作品>
「エイリアン」シリーズ
・「エイリアン」(1979年)
・「エイリアン2」(1986年)
・「エイリアン3」(1992年)
・「エイリアン4」(1997年)
「ゴーストバスターズ」シリーズ
・「ゴーストバスターズ」(1984年)
・「ゴーストバスターズ2」(1989年)
・「ゴーストバスターズ」(2016年) ※カメオ出演
「愛は霧のかなたに」(1988年)
「ワーキング・ガール」(1988年)
「アイス・ストーム」(1997年)
「ギャラクシー・クエスト」(1999年)
「アバター」(2009年)
トム・スケリット
<主な出演作品>
「エイリアン」(1979年)
「トップガン」(1986年)
「ポルターガイスト3 / 少女の霊に捧ぐ…」(1988年)
「ピケット・フェンス」(1979年)
ジョン・ハート
<主な出演作品>
「ミッドナイト・エクスプレス」(1978年)
「エイリアン」(1979年)
「エレファント・マン」(1980年)
「ハリー・ポッター」シリーズ
・「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001年)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」(2010年)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)
受賞歴
第52回アカデミー賞(1980年)
・視覚効果賞(H・R・ギーガー、カルロ・ランバルディ、ブライアン・ジョンソン、ニック・オールダー、デニス・エイリング)
あらすじ ※ネタバレ注意&ショッキングな画像あり
西暦2122年、乗組員7名を乗せた宇宙貨物船ノストロモ号は他の恒星系で採掘した鉱石2000万トンを積載し、地球へ向かって帰航中だった。
乗組員達はハイパー・スリープ・カプセルでの長期睡眠から目覚め、到着も間近と思われた。しかし、船を制御するコンピューター「マザー」が、発信者不明の信号を傍受し、その発信源である天体「レリクル座ゼータ第2星団」へコースを変更していたことが判明する。
困惑する乗組員達だが、科学責任者アッシュによると会社との雇用契約書には「知的生命体からと思われる信号は調査すること」と書いてあるという。
やむを得ずノストロモ号は着陸船を切り離し発信源の小惑星LVー426に降り立つ。
船長ダラス(トム・スケリット)、副長ケイン(ギルバート・ケイン)、操縦士ランバートの3人が船外調査に向かい、謎の宇宙船とその船内で椅子に座ったまま化石となった太古の異星人を発見する。その異星人の腹部には骨が外に曲がり中から破裂したような傷痕があった。その近くので船の底に続く溶けたような穴があることを発見する。
ケインがそこに降りると、巨大な卵のような物体が無数ある空間へ辿り着く。その一つに近づくと生物が中で動いていることを確認する。卵の上部が開き、さらに近づくと中から生物(フェイスハガー)が現れケインのヘルメットシールドを溶かし顔に付着する。
3人は船に帰還したものの、ケインの状態を聞いたリプリー(シガニー・ウィーバー)は感染の危険があることと検疫の原則に従い3人を船内に入れることを拒む。しかし、アッシュは忠告を無視してエアロックが開けてしまう。
ケインを船内の医務室に運び、そこでリプリー達が見たものは、サソリのような生物(フェイスハガー)がヘルメットのシールドを溶かし、ケインの顔に張り付いた姿だった。
アッシュが透視で調べた結果、フェイスハガーはケインに酸素を供給しており、ケインはマヒ状態で生かされていた。
すぐに除去しようと体の一部を外科装置で切断しようとすると強酸の体液が流れ出し、船の床を溶かして下層まで穴が空く。ダラスたちは無理に引き剥がすのは危険と判断し、フェイスハガーをケインの顔に張り付いたままにするが、やがてフェイスハガーはケインの顔から剥がれ落ちて死ぬ。
リプリーは、すぐにその死骸を捨てるべきだと主張するが、アッシュは人類が初めて遭遇した貴重な地球外生物であり地球へ持ち帰るべきと主張し、ダラスもそれに同意する。
リプリーは、生物持ち帰りの判断をなぜアッシュ1人に任せたのかとダラスに詰め寄るが、本社の司令だと押し切られ、リプリーは不満をあらわにする。その後、着陸船は小惑星LVー426を離陸するが、地球までは10ヶ月も旅をしなければならなかった。
しばらくして、ケインは意識を取り戻し何事もなかったかのように回復するが、乗組員たちと食事中に突然激しく苦しみ、やがて彼の腹部を突き破りヘビのような生物が現れ乗組員の間を駆け抜け逃走する。ケインはフェイスハガーによって体内に幼体(チェストバスター)を産み付けられ、その出現により死亡したのだった。
乗組員達は船内を捜索するが、その間に脱皮し大型化したエイリアンは機関士のブレットを襲い、通風孔に入りダクト内に身を潜める。
乗組員達はアッシュのアドバイスに従い、火炎放射器を使ってエイリアンをエアロックへ追い込み、船外へ射出する作戦を決行する。ダラスはエイリアンを追い立てるために単身ダクト内に進入するが、返り討ちにあい船長のダラスは命を落とす。
ダラスを失った一行は団結力を失い、リプリーと機関長パーカーはダラスの立てた作戦を続行しようと主張するが、ランバートは船を棄てて脱出艇で逃げることを提案する。
しかし、脱出艇に4人全員が乗ることはできなかった。そんな中、リプリーは議論に参加しないアッシュの態度に疑念を抱き、直接コンピューター「マザー」に問いかけるが科学主任(アッシュ)のみ閲覧可能と拒否される。
リプリーは、悪い予感に苛(さいな)まれながら情報制御解除の操作を行い特別指令937を確認すると、会社が秘密裏に「生体標本の持ち帰りを最優先」としていたこと、さらに「乗員等は場合により放棄してよし」とプログラムされていることを知り、アッシュに怒りをぶつける。
アッシュは、真相を知ったリプリーに襲いかかり殺害しようとするが、駆けつけたパーカーとランバートが阻止し、アッシュは破壊される。アッシュは、会社が乗組員たちを監視するために送り込んだアンドロイドだった。
リプリー達はアッシュを一時復旧して尋問したところ、会社は初めから生物を持ち帰ることを最優先とし、乗組員の命は二の次としていたこと、またエイリアンをどうすれば殺せるかと質問すると「完全生物で殺すのは無理であり、君たちも生き残れない」と告げられる。
もはや会社との契約を守る意義のなくなったリプリー、ランバート、パーカーの3人は本船を切り離して自爆装置で爆破し、脱出艇で逃れて救助を待つ計画を立てる。
しかし、彼らが二手に分かれて脱出の準備をしている間に、エイリアンは通風孔のダクトから這い出ており、ランバートとパーカーに襲いかかる。悲鳴を聞いたリプリーが二人のもとに駆けつけるが、そこには2人が無惨な姿で残されていた。
1人残されたリプリーは、深い悲しみと恐怖に襲われながらもノストロモ号の自爆装置を起動し、猫のジョーンズを連れ脱出艇に乗り込もうとするが、その入口の直前で通路上にエイリアンがいることに気づく。
リプリーはその場を離れ、急遽脱出を中断し、自爆装置の解除を試みるが間に合わず、カウントダウンは継続される。
リプリーは再び脱出艇の入口に向かうがそこにはエイリアンの姿はなかった。リプリーは、猫のジョーンズを連れ脱出艇に搭乗し直ちに発進させる。その直後にノストロモ号は大爆発し宇宙の塵となる。
リプリーは、エイリアンが船の爆発に巻き込まれたと安心し、脱出艇のハイパー・スリープ・カプセルに猫のジョーンズを先に入れ、自身も長期睡眠をしようと準備していると、船内の機械室よりエイリアンが現れる。リプリーはあわてて宇宙服の保管部屋に隠れ宇宙服に着替えて武器の準備をする。
その後、リプリーは機械室へスチームを送り機械室からエイリアンを追い出し、脱出船のハッチを開けエイリアンを船外へ射出し、船のエンジンで宇宙の彼方へ吹き飛ばす。
リプリーは、 船の最終報告の記録として「自分以外の乗組員は全員死亡、本船は爆破、6週後に銀河系に達する予定」と言葉を残し、猫のジョーンズとハイパー・スリープ・カプセルで長期睡眠に入る。
感想
最新の映画「エイリアン:コヴェナント」(2017年)と比較くすると、当然遜色(そんしょく)はありますが、1979年と41年前(2020/11/15現在)の映画としては、良くできた作品だと思います。特に「宇宙貨物船内、エイリアンのウェット感、歯茎、第二の顎」はよくできていると思います。
本作ではCGが使われていないため、宇宙船は洗練されておらず、ブラック企業の作業用貨物船といった感じで、妙にリアリティを感じました。
一つ違和感を感じたのは、現在(2020年)では電子タバコが主流になってきている中、時代設定が2122年と公開年の140年以上先の未来にもかかわらず、宇宙船内で乗組員が当たり前のように煙草をぷかぷか吸うのは違和感がありました。
あと、やはりエイリアンには、シガニーウィーバーがなくてはならない存在であることを改めて感じました。
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評価
3.9点/5点満点